猫の成長期は約12ヵ月です。
さらに成長期は、急速に成長する生後4ヵ月齢まで（体重は約4～5倍に増加）と、
その後成長がゆるやかになる生後4ヵ月以降（体重は約2～3倍に増加）のふたつの時期に分けられます。

生後1ヵ月齢ごろまでの子猫は母乳を飲んで育ち、その後離乳がはじまり、徐々に固形食へと移行します。
子猫の乳歯は生後5～6週ごろには生えそろい、消化器は未熟な状態で、多くの食事を食べることはできません。
そのため子猫には、高カロリー・高栄養に調整された、消化が良く食べやすい硬さの食事が必要です。
この時期にはまだ十分にデンプンを消化することができないため、デンプンの含有量が少ない食事でなければなりません。
そのかわりにエネルギー源として脂肪を多く含む食事が適しています。
さらに脂肪をエネルギーとして利用するために、L-カルニチンも必要です。
※消化酵素の分泌量は生後2ヵ月齢では成猫の30%程度

この時期には成長が緩やかになり、体重あたりの必要なエネルギーが減少するため、
それまでと比べてエネルギーと脂肪の含有量が少ない食事が適しています。
いっぽうで、筋肉の成長に必要なタンパク質を十分に摂取することが重要です。

猫の成長期には、高消化性のタンパク質が不可欠です。
また、まだ未熟な消化管の健康な発育のために、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内善玉菌を増やすとともに、
腸粘膜細胞のエネルギー源にもなるフラクトオリゴ糖、
大腸菌やサルモネラ菌などの腸内悪玉菌を減少させるマンナンオリゴ糖を摂取することも大切になります。
さらに、免疫力を高めるためにβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、タウリンなどの
抗酸化成分を十分に摂取する必要があります。
抗酸化成分を十分に摂取することでワクチンを接種後の抗体産生量を高めることができます。

母猫の持っている病気への免疫抗体（抵抗力）は、ほとんどお腹の中の胎仔には移行しません。
そのため、生まれた直後の子猫は、病気に対する抵抗力が非常に弱い状態です。
分娩直後（16-24時間以内）の初乳を飲むことで、子猫は体内に母猫の持つ免疫抗体を取り込みます。
この抗体は次第に低下していき、子猫が自身で抗体を作る力もすぐには上昇しません。
そのため、生後4～12週齢は感染症に対してとても抵抗力の弱い時期です。この時期はストレスを与えないようにし、母猫以外の猫との接触を控えた方が良いです。

●成長に不可欠：タンパク質
●十分なエネルギー摂取：脂肪
●十分に消化できないため控える：デンプン
●腸内善玉菌の増加：フラクトオリゴ糖
●腸内悪玉菌の減少：マンナンオリゴ糖
●免疫力を高める：抗酸化成分 ビタミンC ビタミンE ルテイン タウリン
●脂肪の利用：L-カルニチン